代表理事挨拶

快晴国際事業協同組合の代表理事を務めております儘田哲男と申します。 当組合のホームページをご覧頂きありがとうございます。

 外国人技能実習制度は、現在、実習生が労働基準関係法令に違反している 環境で働いているなど多くの問題点や課題を抱えています。厚生労働省の2018年の調査によると 実習実施機関約7,300のうち7割以上で労働基準関係法令上の違反が認められたといいます。

無資格にも関わらずフォークリフトを操作させ、作業中に転倒し実習生が死亡する事故がありました。 放射線教育も行われないまま、福島第一原発で、がれき等を焼却する施設の建設工事に従事していた 事態もありました。制度上は3年間の実習期間がありながら農家では農繁期の7か月だけ働き帰国する 実習生も多いといいます。受入企業が実習生に長時間労働を行わせ、残業代を支払わなかった等の 違法労働を行っても、知り合いすらいない異国の地では、簡単に次の仕事が見つかるわけではないので、 実習生は受け入れざるを得ない状況となってしまいます。実習生に対して受け入れ側の勝手な都合で過酷な 労働環境を強制するケースが多いことから、同制度を「現代の奴隷制度」と批判する人も少なくありません。 また、最低賃金割れ、残業代の未払いの問題も多く、実習生の行方不明者は年間7,000人にもなると 報告されています。実習生の給与体系や労働環境の改善が強く求められているのが現状です。

 実習生がそれまでの低賃金で劣悪な環境に耐えかねて職場を辞し、そのまま犯罪行為に手を染めてしまうケースが多く報告されています。したがって、そもそもの原因となっている職場環境の改善を図っていくことが、結果的に犯罪の抑止になる可能性が高いといえます。そのためには快適に働ける職場環境を整えることが重要となります。劣悪な環境での作業は実習生の心身を蝕んでしまうので、協同組合の監理責任者が定期的に受入企業に訪問し、労働基準関係法令に違反していないかを監査し、母国の人間が実習生の悩みを聞いてあげたり、相談にのってあげたりする組織文化を醸成していく必要があります。
 技能実習制度は人づくりを通じて、わが国の社会と産業の健全な発展と、開発途上国の経済発展に寄与するという、国際貢献の一環であり、監理団体も受入企業もこの制度を利用するにあたっては、その責任を果たして行かなければなりません。実習生は当然ながら労働基準法をはじめとする労働関係諸法令により保護されており、企業はそれを遵守すること、実習生は技能修得に全力を傾けること等を通じ、社会と産業の間でコンプライアンスを保ちつつ日本、スリランカ、実習生本人、受入企業のそれぞれがメリットを享受していくことが、この制度の発展のために大切なことだと考えております。

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